69th GAKUTEN WINNER INTERVIEW
第69回 学展 受賞者インタビュー
令和初の開催となった、第69回 学展作品展。国内外から年間200万人以上が訪れる『国立新美術館』(東京・六本木)を会場に、表彰式が開かれた12月8日(日)まで、幼少~大学部や一般部まで多くの作品が展示された。 今年度は審査員として、七種 諭氏(ギャラリーDa-End代表・写真家)、ホンマタカシ氏(写真家)を新たに迎え、厳正なる審査が行われた。晴れやかな表情で表彰式へと駆けつけた、上位受賞者の4名に、作品への思いや喜びの声をうかがった。
特別奨励賞
武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科
吉田礼央
WORK TITLE
窓(私の構成)
白いレシート紙に綴られているのは、吉田さん自身の日記。浪人生時代からライフワークとして続けている日記は、毎日が違う1日だと認識するのにとても役立ち、彼女の心を支えているものだという。記録しているのは、その日にあったイイコトだけ。日記を読み返して過去を見渡すと、イイコトだけが見える『自分だけの窓』のようだと感じ、そのイメージをキャンバス上で視覚化した。記された日のことを鮮明に思い出せない経験は、風化していく様子がが似ていると、記録が薄れていくレシートで表現している。
COMMENT FROM THE JUDGES
審査員のコメント
千原徹也
構成とタイトルにあるように。構成として素晴らしいし、レシートに自分のことを認め、貼るという発想、キャンバス全体の構成力は他を圧倒していた。ただ、学展という場においてはすこしものたりなさも感じた。あのレシートに線画で絵を乗せるとかより絵として踏み込むこともしてほしかった。
ホンマタカシ
一等賞に推したけれども、残念でした。