74th GAKUTEN WINNER INTERVIEW
第74回 学展 受賞者インタビュー
8/18(日)まで『国立新美術館』(東京・六本木)で開催された第74回 学展作品展。今年も幼少部から一般部まで、幅広い年代の出展者による個性豊かな作品が会場を彩った。期間中に開催された表彰式では、審査員による審査報告や賞状授与、また作品展のコンセプト『世界を変えろ』をテーマにしたインタビュー動画も上映された。表彰式にも参加した各部門の上位受賞者4名に、出展作品や今後のアート制作に対する思いをうかがった。
高校部
入賞
徳永陽大
WORK TITLE
3分でできるもの
※カップラーメン
よく契約書や注意書きで使われる『※』に着目して、3分でできるものをテーマに学校の友人たちと複数の作品を制作したという徳永さん。その作品の中の1点が、『3分でできるもの ※カップラーメン』。「出来上がるまでの3分は非常に長く感じ、まだかまだかと待った後の蓋を開けたときの感動の瞬間を表現しました。カップラーメンの蓋を開けた瞬間のおいしさがストレートに伝わるように、麺の質感や薄さ、スープの濃度、艶っぽく見えることをできる限り表現したいと思って制作しました。特に気に入っている点は、上から見たインパクトのある構図と麺の描き込みです。一本一本誤魔化さずに描き切ることがこの作品の魅力に直結していると思っています」。
現在、東京都立総合芸術高等学校美術科に通っている徳永さん。制作中は、美術専攻の学校ならではの苦労も。「サイズの大きい作品ではありませんが、同時に複数の作品制作をしていたので、仕上げることが大変でした。一般的な高校より美術の授業が多くあり、高校での授業や制作課題を抱えながら、帰宅後の制作活動へのモチベーション保持や制作時間の確保が苦労するところでした」。
今回、同じ学展出展者の方たちの作品を目にし、新たな気づきを得ることができたそう。「幼少の頃から今まで、僕は見たものをそのままリアルに描くことにこだわり、そこに魅力を感じていました。幼い頃に大人のような絵を描いていた子どもでした。今回学展で展示されていた幅広い年齢の方々の作品を通して、自由でその人の感性がストレートに表現されている絵が多く、僕も自分の感じたことをもっと自由に表現できるようになりたいと思いました。そして、もっともっと知見を広げるために、いつか海外に留学し、自分の魅力や自分らしさを伝えられる絵を描けるようになって、積極的に作品を発信したいと思っています」。
将来の目標については、「僕は幼い頃から友だちとゲームやおもちゃで遊ぶ時間が何よりも幸せな時間でした。皆が同じゲームに夢中になったり、キャラクターになりきったりして遊んだりしていました。その頃からずっと、僕は一人でも多くの子どもたちが夢中になれるようなゲームやおもちゃに携わるデザイナーになりたいと思っています」と力強く語ってくれた。