75th GAKUTEN WINNER INTERVIEW
第75回 学展 受賞者インタビュー
8/17(日)まで『国立新美術館』(東京・六本木)で開催された第75回 学展作品展。今年も幼少部から一般部まで、幅広い年代の出展者による個性豊かな作品が会場を彩った。期間中に開催された表彰式では、審査員による審査報告や賞状授与、また作品展のコンセプト『他者を想像する』をテーマにした特別映像企画のドキュメンタリー作品や審査員のインタビュー動画も上映された。表彰式にも参加した各部門の上位受賞者4名に、出展作品や今後のアート制作に対する思いをうかがった。
高校部
最優秀部門賞
蒲田海


WORK TITLE
Gleam of dawn
「夢から覚めること」と「今の自分の人間関係」を重ねて名づけられた、“夜明けの光”という意味のタイトルを持つ作品。そして『Flogan』は「花を食べる人」という意味の造語だ。いずれも、人との関わりの中で感じる自分の内面をテーマに制作された。
表現でこだわったのは、空気感の演出。ガサガサにしたハケを活用し、独特の光を生み出した。「特に気に入っているのは、極端な空気遠近法です」と語る。
また作品のコンセプトについては、以下の言葉で表現している。
「自分の心とは、自分を作る芯が、自分の周りの常に変化する空気の中を自由落下しているようなものです。そこに不透明な他人の言葉が混ざり合い、元の自分自身に焦点があいづらくなる。でも、その煙の中で照らしてくれる光もまた他人の言葉なのだと思います。それが自分に美しく反射し、不透明に濁った自分だけの色になって、再び近くの人を照らすなら、それは自分にとっても相手にとっても、夜明けとなるような反射光かもしれない」。